二次創作中心のMMDでオリジナルをやることは

二次創作中心のMikuMikuDanceでもオリジナルをやる人たちがいます。
MMDにおける一次創作・オリジナルとは何なのかを主観と過去の傾向から語っていきます。



MMDは同人界の縮図


MMDと一口に言ってもその活動は様々です。
VOCALOIDをはじめ、東方・ヘタリア・艦これ・刀剣乱舞等。

モデルの配布や、配布データを使っての動画投稿・・・
そうした活動がメインとなりますが実際には雑多で幅も広いです。

同人界の縮図としての面も持ち合わせているMMD、
そこで一次創作(オリジナル)をやることについて。

勘の良い方ならもうお気づきでしょう・・・まぁ厳しいものです。

ひとつ誤解しないで頂きたいのは、「版権は敵、オリジナルは素晴らしい」と言いたいわけではは無いということ。
そっちはそっちで色々ある。

あくまでどのような所なのかを語って行こうと思います。


MMDオリキャラの定義


かなり曖昧です。

個人の創作活動によるキャラから、そこから派生した二次創作まで、
版権が絡んでなければ一纏めに「MMDオリキャラ」のタグが付きます。

「個人のオリジナルキャラのMMD化」
「MMDの為に作られたオリジナルキャラ」もタグは共通です。

また、それらのキャラクターを主役とした動画はすべて「MMDオリキャラ」のタグが付くため
我が道を進むモデラーも、キャラ同士を絡ませストーリーを作る動画作者も皆同じジャンルで活動していることになります。

MMDオリキャラという枠はある種自然発生したものかもしれません。


ちなみにMMDオリメカというのもあります。
ロボ等メカモデルだとこのタグが付きます、実質同ジャンルの仲間です。


モデラーのスタンスは大きく分けて2つ


MMDではどこでも、まずはモデルありきです。

そしてモデラーは配布したキャラに対してどういったスタンスを取っているのか。
オリキャラの場合は大きく分けて2つあります。

・創作活動で生まれたキャラクター、『我が子』
・MMDユーザーの為のデータ、『配布物』

だいたいこの2つ間でどちらかに寄っているものと考えられます。
私の場合はちょうど中間くらい『作品としてプライドはあるが自由にしていい』

各々の規約からその内情が見えてくるでしょう。
ドール界隈で言うところの『ウェット』『ドライ』に通ずるものがあります。



各スタンスのモデルの特徴


前者の場合はモデラーの創作活動であり、3Dモデルを公開した時点で完結です。
一キャラクターとして独立しており、デザイン設定も凝ったものが多く、作者自身の愛着も強いです。

愛着が強い分使われ方をかなり気にします。規約も厳し目。
基本的に、誰かに使ってもらえることもあまり無いです。
しかしその中から脱して一部コミュニティでお馴染みの顔になったものもあります。

後者の場合は配布データと割り切っているため使われ方をあまり気にしません。
デザインは簡素・汎用的なものが多いのが特徴です。

使いやすいように調整を加えたものから、偶然出来た物のおすそ分けまで、
気合の入れ方は人それぞれ、ジャンルの垣根を超えて使用されていきます。


動画作者・視聴者ともにコアユーザー


MMDオリキャラの動画製作者(キャラ紹介以外)はモデラーではなくユーザーです。

モデリングから動画作成まで一人でやる人はほとんど居ません。
そこまで手が回らないのが実情でしょう。

どのジャンルでも似たようなものですが、1つ違う点があります。
『キャラのイメージに捕らわれず動画を作りたい』 、
『純粋な作者の創作力を見たい』 等の需要があることです。

MMDオリキャラモデルをメインに据えた動画は、モデルが借りものであっても
知名度が殆ど無い為にこれらを満たします。

準一次創作として成立するわけですね。

一方シンプルに、『作者の愛が籠っているオリジナルキャラが好き』というのも。
そういう人が要ると作者も嬉しいですね。

視聴者もコアなMMDユーザーや玄人が多いです。
ファンムービーから入ることが殆どなMMDですから、ここに行き付く人は必然的に絞られてきますよね。



フルボイス動画へ派生


クオリティの高いMMDドラマはフルボイス化されることがある。
既存の声が無いため違和感を持たれにくく、むしろアフレコされる事に対しては肯定的です。
(漫画のように各々のイメージはあったかもしれないが)

かつての声部のような、MMD外にも創作の場が派生していくのは興味深い所です。



ジャンルは小規模


MMDのオールスター動画などでMMDオリキャラ枠が必ずあるので
ジャンルとしての認知度はそれなりにある模様、
ただし実際にそこに動画を投稿していた身として感じていたことは、人がいない、それにつきる。

新モデルがたまに上がってくる程度には作者がいる状態ですが
動画はMMD杯の時に数人現れれば御の字。
不定期に動画投稿はされていますが手の込んだものはMMD杯に集中します。

しかし小さいながらも、共通認識を持ったり互いに影響しあうこともあります。
他の作者の動画の世界観に惹かれ配役を似せてみたりするなど。


流行>大手>準大手>>>>オリキャラ≧マイナージャンルくらいの規模感です。

小規模な割には業者や開発者の目に止まる機会があります。(良くも悪くも)
版権のないキャラを使う必要がある場合での使用許諾・募集等。


発作的に振興活動が起きる


熱心な方が率先してイベントや合同企画を催すことがあります。
今までにも様々な企画が開催されてきました。

小さいジャンルながらも皆で祭りやって楽しもう!
版権の力に頼らずともここまでやれるという志!


たびたび起きているんだ・・・

起きてはいるんだ・・・

いるんだが・・・



ジャンルとしての未来は


流行りもなければ廃れもしない、
MMDが表現の場としてあり続けるなら、製作者も一定数居続けるのではと思います。

しかしそれは2016年現在を見ての話。
何かの拍子で変わっていくかもしれませんし、現にMMDの黎明期に比べ活動の幅はかなり変わっています。
モデルの数が増えてきたことで、動画制作をしやすい環境になったのかもしれません。



結局オリジナルは楽しいのか


楽しいですよ、ハードーモードですが。


キャラが使われた時の喜びは一塩です。
ダイレクトな評価をされるため楽しい反面厳しい世界でもあります。

注目を集めたい・動画を伸ばすのが楽しい と言う人にはまずお勧めできません。
完成度に関わらずジャンル事態がまず伸びにくいです。(MMD杯の過去の事例から)

そうゆうところだよな・・・、投稿1回きりで辞めてく理由。


自分の考えたキャラクターが動く、人によってはただそれだけに喜びを感じることも出来ますし、
あるいは作った物語から共通認識が生まれて連鎖していく(簡単ではないけど)
それはとても面白いものです。


結局は自分が何をしたいかによるところが大きい。



MMDの中でも特別なジャンルの一つであるMMDオリキャラ、
楽しい面、辛い面ともに語ってみましたがいかがだったでしょうか。


興味のある方も、現在活動中の方もなにかの参考なれば幸いです。